永遠の0 (講談社文庫) [文庫]
百田 尚樹 (著)
(Amazonより参照)
内容紹介(Amazonより参照)
「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、
なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。
天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、1つの謎が浮かんでくるーー。
記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。
2013/01/04
久しぶりに行った本屋での人気小説コーナーは、「海賊と呼ばれた男」だったのですが
上下巻があり、その価格に躊躇しちゃいました、二冊で3360円は直ぐにはだせないでよね
同じ作家で「永遠の0」920円があったのでこれなら、買っても良いかと。
「ゼロ」って何だと興味を持ち、それが零式艦上戦闘機の事だと分かりました、
だけどこの本は単なる0戦の本ではないです
あの戦争がどんなものだったか
日本のあの頃と今も変わらない体制(「坂の上の雲」での203高地には憤りました)
日本人の強さや弱さ
そんな事を感じた一冊になりました
「宮部久蔵 」は、何より命を惜しむ、それはなんの為か、どんな人にも公平で礼儀正しく、約束を守ろうとした
そして彼がばぜ特攻に行ったのか、それはネタバラシになるので読んでくださいね
景浦介山はヤクザ
そのヤクザの彼が「俺が泣いたのは他でもない。宮部の事だ、あと一週間で生きていれば命が助かったのだ
奴の愛してやまない妻の元へ戻れたのだ。」と健太郎に話す
影山は宮部を嫌った、その彼すら、戦後には宮部の為に命を張った
そこまでさせる宮部の人間の大きさ、彼は周りに流されず自分を生きた人だと思う
そんな彼に憧れずにはいられません
特攻を嫌った宮部がなぜ特攻したのか、そして特攻は自分の意志なんかではなく、半ば強制的に
行かされたんですね
特攻した二十歳前の彼らは、自分が死ぬことになんの意味があるか、葛藤する
このあたりは死を、考えさせられますよ、読んでて涙が出る
その彼らを見る宮部の気持ちも読んでて分かります。
話は違いますが大和ホテルと言われた戦艦大和は沖縄に特攻に行かされる 、大和が残っても仕方ないとの上層部の意見で、
勝てる見込みもない海上に出撃して3000人の乗組員を死に追いやった。
大和は対戦艦なら意味があるが、飛行機には無防備、それもほとんど護衛もなしに(最も護衛機もなかったのですが)
そして300人生きて帰りその彼らは、犯罪者の如くに扱われた、西洋には人種差別があるが日本には村八分がある、
これを知った時は、衝撃でした。
特攻も、同じく初めこそ効果はありましたが、後は成果もないことは分かっていても、行かせた日本の体制(上層部)
人は物より安い一銭五厘(葉書代)あれば赤紙で人が来るから、本当にひどい上層部の感覚、今の時代でも同じじゃないかな
原発の放射能汚染、拉致被害を見ればよく分かる
上杉鷹山を読めばその頃から(もっと前から)今まで変わらない事がより分かると思います
そんなことを考えちゃいました。
この本の 「宮部久蔵 」が、 本当にカッコイイんですよね
物語は「宮部久蔵 」の戦地での別々の話しを健太郎が、取材する内容なんですが、それが最後に一つになります
このあたりの展開は、早く読みたい衝動に駆られますよ
「永遠の0」読んで結局 、3360円で「海賊と呼ばれた男」を買っちゃいました。
「宮部久蔵」は「海賊と呼ばれた男」にも一行だけ出てきます
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